ex03【Phantom Detective】ストーリー(後半)
<登場人物>
アンジェ
ちせ
ソフィ
シャーリィ
ドロシー
ステファニー
ジョセ
①
さーて。今日もお目当ての品をいただいちゃおうかね
・・・
怪盗D!あなたの思いどおりにはさせないわ!
そ、そうよ!ペイジ、あいつらを捕まえましょう!
バウッ!
あら、そうはいかないわ
私がいるかぎり、怪盗Dには指一本ふれささないわよ
邪魔よ、どきなさい!
いやと言ったら?
あんたごと確保する。行くわよ、ペイジ!
怪盗D、今のうちに!
まかせときな!
手下は警察のみなさんにまかせて私たちは怪盗Dを追いましょう
あ、あぁ。まかせたぞ新入り
通路はふさがっているし、別ルートから迂回していったほうが逆に早そうね
あなたには負けなくてよ。それではお先に
あっ!
それにしても怪盗D。いったい何者なのかしら
・・・そうじゃな
②
怪盗D、見つけたわよ!
あら、遅かったですわね
おっと、お仲間の登場か?目当ての品は手に入れたことだし、おさらばするか
馬鹿な、窓から逃げる気?ここを何階だと思っているんですの?
逃げられるんだなぁ、これが!
浮いた・・・!?
――逃がすか!!
でかしたわ助手!そのまましがみついてなさい!
め、めちゃくちゃなことを
最終的に捕まえられればよいだけのこと。さて、彼女たちのあとを追いましょうか
・・・いえ、私は手下の方を見てくるわ。気になることがあるの
・・・
③
さて、あとはアンジェたちにまかせるとするか
なにが『どこの誰かは知らない』じゃ。アンジェは怪盗の正体を知っていたんじゃな
よ、っと。それにしても時計台から見る夜景は圧巻だな。光の海を見ているようだ
故郷ではこんな夜景は見たことないのか?
ああ。だが、日本の夜景もここまでの華やかさはないが風情があってよいものだ
へぇ、一度見てみたいもんだな。ちせの故郷の夜景ってやつ
一度来てみるといい。そのときにはお気に入りの場所に連れていってやろう
へぇ、そりゃ楽しみだ
それはそれとして『絢爛華麗な夜の華』はどうかと思うぞ
・・・・・・
④
先輩が警察の方々を別の場所に誘導してくれたことだし、はじめましょうか
ええ
こうしてみると、どれもこれも共和国のものばかりね
ねえ、ステフ
なに?・・・あ、なつかしい!これなんて小さい頃に見たことあるわ
・・・怪盗姿、似合ってない
そう?ドロシー先輩には褒めてもらえたんだけどなぁ。怪盗S、参上!・・・なーんて
・・・
どうして教えてくれなかったの?今回の任務のこと
・・・あぁ
協力者の中にソフィがいたなんて知らなかったのよ
今回の私のパートナーはドロシー先輩でソフィには関係ないことだった
関係ないって・・・
スパイは任務の内容をむやみに吹聴するべきではない。ファームで習ったでしょう?
そう、だけど
・・・
同じチームなのに、私たち隠しごとばっかりね
・・・スパイってそういうものよ
⑤
元の場所まで戻ってきましたわね。では、あなたの推理を聞かせていただける?
怪盗Dを逃がしたのに館長は慌てていない。むしろ手下を逃した今の方が余裕がないわ
怪盗Dの方がおとりで手下が目的の美術品を盗む役割だったのでしょうね
館長さん、怪盗が本当に狙っているものに心当たりがあるのでは?
・・・いや、私はさっぱり・・・
言えないのであればそれでいいわ。・・・館長室に向かいましょう
な、なぜそんな場所に?そこには価値のあるものなどありませんよ
本棚の裏、これだけ言えばわかるでしょう?
たしかにそこには館内図に載っていない秘密のお部屋がありましたわね
まさかとは思うけれど、私を試すために怪盗の作戦に引っかかったふりを・・・?
・・・さぁ
⑥
観念しなさい!
よくここがわかったわね、探偵さん。警察のみなさんもおそろいで
新入り、早くそいつを確保するんだ!
は、はい!行くわよ、ペイジ!
・・・うーん。さすがに不利な状況ね。いったん仕切り直すとしましょうか
今回は私たちの負けね。けれど次はこうはいかないわよ
さようなら。また会いましょう。かわいい警官さん
(!これ、例の暗号メモ・・・)
待ちなさい!
⑦
・・・それで、結局逃げられてしまったというわけ
でも怪盗の狙っていた美術品は守れたということですよね?すばらしいです
怪盗たちはたしかになにかを盗んでいったわ。今となってはわからないけれど
信じられません。先生ほどの探偵が・・・
私だって人間よ、ジョセ。けれどあの場で気づけなかったのは痛かったわね
――あの妙な探偵たちや新人警官も共犯だったなんて
えっ?
怪盗Dもその助手も手際が良すぎたし怪盗に追いつけたのは彼女たちだけだった
おそらく警官たちは協力者と合流したあと警察に変装し、堂々と目的地に潜入した
そのあとは協力者が偽情報を流して、他の人間を現場から遠ざければいいだけ
協力者から目を離さなければ気づけたでしょうに・・・この足がもどかしいわね
次は私が先生の足になります。ぜひともご用命を
ありがとう、ジョセ。でもそこそこ楽しい時間だったわよ
今度、彼女たちを題材に物語を書くのも悪くないかもね
本当ですか?ジョセフ・マーロウ先生の新作、楽しみにしております
今回もすてきな感想お願いね。熱心な読者さん
はい!
to be continued